パテ・アン・クルート 〜「構築」する料理〜

10枚以上の予約注文が入ったら作る、という特殊メニューとして考えているのがこちら。

「パテ・アン・クルート」

です。

日本語訳すると「(生地に)包まれたパテ」となりますが、その名の通り、ザクザクのブリゼ生地で具を包んで焼き上げるという、フランスでも非常に人気の高い料理です。

フランスではパテアンクルートの世界一を決めるコンテストも毎年開催されておりまして、一流のシェフたちが技巧を凝らして美しいビジュアルと味を競い合っています。

そんなロマンあふれる料理なんですが、作るのに一週間近くもかかってしまうため、当然この辺では見ることも食べることもできません笑。

週に一回という、ある意味ふざけた営業形態である当店でも、売れずに残ってしまうリスクを考えると流石に作るのを躊躇います。

しかし、そういうなかなか食べられない料理だからこそ、自分が作って町の皆さんに提供すべきでは?と考えているのも事実。

今回は娘の入学祝いのお返しのひと品として久しぶりに焼いた(前回は違う型を使い、クリスマスの特別メニュー用として焼きました)のですが、このパテアンクルート、どうにかしてリスクを抑えつつ売ることはできないかなと検討してみました。

当店は幸いにしてウェブサイトから注文をお受けできるようになっており、決済もウェブ上で行えます。

https://www.braise.info

つまり、サイトからの注文が10枚以上たまったら作るという形にすれば、リスク無くこういった珍しい料理も提供できるのではないかなと。

今のサイトの仕様上、クレジットカードで商品の注文・決済を行なっても、二週間以内にこちらが「販売完了」の処理をしない限り、決済は完了したと見なされずお客様に代金が返金されます。

これならお客様にも大きなリスクはありません。目標枚数に到達しなければ代金は返金されますし、到達すればパテアンクルートが購入可能、という形になりますからね。

この仕様を上手く利用すれば、もしかしたらこの地でもパテアンクルートを提供できるかも…という希望が拓けてきました笑。

ちなみに今回作ったパテアンクルートは、72時間調味料と洋酒に漬け込んだ豚肩ロース・豚バラ肉・鶏胸肉・鳥レバーをメインの具とし、これに昨秋採ったポルチーニ(ヤマドリタケモドキ )とタマゴタケのソテーを旨味補強に用いるサブの具としました。

これに爽やかさを加える訓子府産エシャロットのコンフィ(みじん切りにしたエシャロットをオリーブオイルに漬け、塩胡椒してタイムを入れ、1時間オーブンで加熱したもの)とイタリアンパセリを混ぜ合わせて生地に詰めています。

また、パテアンクルートは生地を丁寧に詰めないと焼成中に破れて肉汁が染み出してしまうので、DIYで生地を型に押し付けて抑えるための道具も手作りしました(お店を作った際に出た端材の再利用)。

パテアンクルートは「構築する料理」と言われますが、それは「具や生地の仕込み」「カットした際に美しく見える詰め方」「焼き上げの温度と時間」など、完成までのスケジュールを逆算して行動に落とし込まないといとも簡単に失敗してしまうのが理由です。

どれだけ美しいビジュアルに焼き上げることができても、最初の具材の仕込みで調味をミスっていたら全て台無しですからね(なので必ず少量焼いて味見をします)。

ひとつひとつの仕事の丁寧さや正確さなど、料理人としての総合力が求められる料理であることが、コンテストが行われるほど愛される理由なのかなと思います。

…ここまで長々と書いておいて何ですが、店主は単純にワインのつまみとしてめちゃくちゃ優秀だからパテアンクルート食べてもらいたいんですよね笑。

濃厚な旨味を楽しめるゴロゴロの角切り肉と、周りを覆ったザクザクの生地のコントラスト…。たまりません。

ネット通販でも買えないことはないんですが、真空パックしちゃうと生地のザクザク感はどうしても弱まるので、店頭で購入してその日のうちに食べるのがやっぱ至高だよなぁと。

そんな楽しいお家ディナー、いいんじゃないかな〜と思うわけです。

この騒ぎが収束して、実行できそうになったらまた情報を配信しようと検討してますので、よろしくお願いいたします。

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