北海道ワイン8種類を飲み比べしてみました。

こんにちは、メゾン・ブレイズの店主です。
明日がディナーということでワインリストを更新すべく、北海道ワイン8種類飲み比べに挑戦しました(笑)。
かなり個性が異なる8本が揃ったので、ディナーのお客様も楽しんで頂けるのではないかなと。
写真が少なく文章ばかりで申し訳ございませんが、気になるワインがある方は是非参考にしてみてくださいね。

インフィールドワイナリー キャンベルアーリーロゼ 2000

あまーい!!!イチゴの香り。これは女性が喜ぶわー。
妻はかき氷のシロップみたいとのこと。
キャンベルアーリーの個性はしっかり出てると思う。
この香りでドライなスパークリングワインとか作ったら面白そうだな。

おっ?舌に乗せると意外な酸味が!これは嬉しいサプライズ。
日本酒でも甘口のお酒に酸味が乗ってると飲みやすくなるけど、
それに近い印象がある。狙ってこの味に仕立ててるのだとしたらMさん凄いな。
うん、美味しい。そしてこれはしっかり冷やした方がより飲みやすくなって良さそう。
デザインの可愛さに比して本格的。わざとらしさの無い味わいでいろんな人にウケが良いと思う。

ド・モンティーユ 驚 ツヴァイゲルト 2019

あ、北海道の野生酵母で作ったワインという感じのどこか懐しい香り。
強く香り立つというよりも、落ち着いた、どっしりした感じ。
土と木のニュアンス。グラスに注いでからの寿命が長そう。
やはりピノノワールに比べて香りが大人しい印象かな。

うん、時間を置くとよりあの懐かしい香りが強くなってる。
おお、口に入れると木(樽ではない)っぽい。酸味も思ったよりある。
北海道ワインを飲むようになってからツヴァイを使ってるワインも色々飲んだけど、
これは山ぶどう系のワインのような野性味を感じる。
飲むにはまだ早いか?今の状態でも十分楽しめるけど、まだパワーアップしそうな気が。
食事と合わせるとしたら何がいいだろう。タンニンはあまり感じなかったから、
意外となんでもいけるような気はするけど。

ボスアグリワイナリー 桜夢雫 山幸 2019

グラスの縁に炭酸の泡が。自然酵母だから?
花を近づけると山の匂い!山ブドウ系だと一発でわかる。
エチケットには「草木系の香り」とあるけど、納得。
色はかなり濃い。単独だと難しいけど、料理に合わせると化けそうな感も。

やっぱり山と木と土の匂い!!これは特徴あるなぁ。
口に含むと強い酸味に土の風味、舌にじんわりと残る旨味。
むー、この味わいはどの料理に合わせるべきか。悩ましいぞ。
飲み飽きはしない。ただ個性が強すぎていきなり評価してもらうのは難しい気もする。
物凄い相性のいい食べ物と組み合わせてなんぼって感じかも。
山幸単独でこの味を生み出せるのは凄いと思うけど、それを知っている人は少ないし、
基本的に人は飲みなれない味を避けようとするものだから。
提供の仕方が大事、料理との相性が大事という意味では、
料理とのペアリングで輝くような出し方がいいかなという感じがする。

ド・モンティーユ 驚 ピノノワール 2019

淡~い色合い。ぐわっとくるかと思いきや、意外と開いてない感じ。
同じ北海道のピノでも、こちらはヨーロッパっぽいというか、陰な印象がある。
でも香りはやはり北海道の野生酵母で作ったワイン特有の懐かしい香りが。
これも10Rワイナリーだっけ?以前ドメーヌアツシスズキのcuvee046を飲んだ時も思ったけど、
この香りが北海道の野生酵母で作ったワインに共通してるのかなという気がする。
これは北海道のテロワール…共通要素であるとも言えるし、かといってこれが続きすぎると
逆に単調に感じてしまう人もいるかもしれない。
まだ開けるにはちと早いかな?飲んでみないとわからないけど。

あ、土の香り。置いたことで変わったのかな。
確か余市の買いブドウで今回作ってるはずだけど、ドメーヌタカヒコさんなどとは
また個性が違う感じに仕上がってるな。10Rワイナリーさんで醸造とあるけど、
依頼者の作ってほしい味に応じて調整してるんだろうか。他の余市産ピノとはかなり印象が違う。
あー、味は美味しいーーーーーーーーー!!!急にお勧めしたくなったwこれは美味しいw
香りはちょっと独特というか複雑だったけど、綺麗な酸味と後引く旨味で予想外の素直な美味しさ。
タンニンはちょっと感じるなぁ。共通する香りはあるんだけど、ツヴァイとは全然方向性が違うわ。

妻も「この前飲んだ『こことあるシリーズ ピノ・ノワール2018』に比べて香りが陰な印象」という評価。
ブルゴーニュのドメーヌが関わっているからか、作りも欧州仕様なのかな。

ル・レーヴワイナリー musubi 2020

フレッシュ!混醸なんだっけこれ?
香りは酸味、柑橘系がメイン。ゲヴュルツトラミネールの印象は無いなぁ。
あんまりシャルドネのイメージも湧いてこない。熟成感ではなくフレッシュさ。

時間を置くと香りが開いてきて複雑さが増してきた。酸味だけじゃなく甘い香りも。
これはゆ~っくり飲む人の方が楽しめる気がする。最初のとげとげしさが薄れてきた。
グラスから離して香りをかぐと本当にあまーい香り。蜂蜜のよう。
いや~全然印象変わるなこれ。

口に含むと思ったよりもボリューミー。
甘みと旨味と酸味のバランスが絶妙で、若さは感じるけど適度に複雑。
今飲んでも十分に美味しいし、価格的にもお得感があるのでこれはお勧めしやすいかも。

登醸造 セツナウタ 2020

ん~~~~??還元臭?硫黄っぽいというか。
お酒屋さんが言ってたのはこれか。2日目が一番美味しいと言ってたけど、
わかる気がする。そういえば一度デキャンタに移してから全部ボトルに戻すって言ってたな。
ちょっとスワリングした程度では変化なし。
スワリング100回くらい繰り返して「うーん少し落ち着いてきたかな」みたいな感じ。
色の薄さのわりにめちゃくちゃ旨味がのってそうだなというのは香りだけでわかる。
ただ、どうやってディナーの時に出すべきか。予め聞いておいて、小瓶に入れておくとかがよいか。

おおお、スワリングしまくってからしばらく置いておいたら、かなり香りに華が出てきた。
これだからワインは難しい…。飲みたいと感じているお客様に出す場合は、着席した時点で
もう注いでおくくらいの方がいいかも。変化を楽しんでもらうという趣向で。

味はゴージャスー!膨らみがある。旨味強い。
以前のものに比べると酸味を感じるけど、これはケルナー由来かな。
ド・モンティーユのツヴァイ100%とはワインとしてのタイプがかなり違う。
とっても美味しいけど、絶対に先に注いで空気に触れさせまくっておいた方がいいな。
2日目が一番美味しいってお酒屋さんが言うのはよくわかる。
このワインの魅力はしっかり伝えきりたいと思えるそんなワインでした。

奥尻ワイナリー ピノグリ 2020

グラスに炭酸の泡が付いていて、フレッシュな感じ。
レモンイエローの綺麗な色合い。
香りを嗅いでみると柑橘系の爽やかさがいっぱい。ちょっと刺すような感じも。
野生酵母ではないなーというのもわかる。
以前試飲したオーブリオンブランのイメージとちょいかぶる。なんでだろ。

あっはっは、笑っちゃうくらい奥尻のピノグリ(笑)。
ヴィンテージが変わっても、このジューシーさは変わらず。
ワインに詳しい人も、そうでない人も「これ美味しいね~」と手放しで言えるわかりやすさ。
余韻も長い~!酸味もきちんとあるから飲み飽きしないし本当いいワイン。売れるのもわかる。

ド・モンティーユ 驚 ケルナー 2019

おおおお、いい香り…!他の2種類(musubi、奥尻ピノグリ)とは、
全然方向性が違う…。ケルナーってもっと刺すような香りの印象が強いブドウだけど、
なんだろう、フルーツにはちみつを混ぜたかのような甘やかさのある香り。
熟成したシャルドネのような…うーん、これはいいかも。
グラスに鼻を近づけるより、グラスから立ち上ってくる香りが凄くいい。
あーーーー、これ凄くいいな。

いや~、やっぱ香りが全然違う。
今回買った3本の中ではこのケルナーが一番可能性を感じる。
口に含むと、こんな若いヴィンテージなのにちょっと熟成感が。
樽使ってる、んだよね?じゃないとこの感じにはならないと思う。
まろやかさがある。複雑さもある。ケルナーらしい酸味もある。
これは美味しいな。どんな料理に合うかが問題か。
北海道のワインでこういうタイプは無かった気がする。
あえて言うなら平川ワイナリーさんで作っててもおかしくなさそうな感じか。
ド・モンティーユさんの作りたいワインがどんな感じのものなのか、
それを知るためにはこのワインが一番わかりやすいかもしれない。

まとめ

いかがでしたか?
以前に「ドメーヌ・アツシ・スズキ cuvee046」を飲んだ時に「あれっ?ナナツモリと香りが似ているような…」と感じたことがあるんですが、もしかしたらこれは野生酵母での醸造(またはブドウの産地?)に由来するものなのかな?という疑問がありました。

今回の試飲で確信を得られたわけではないのですが、同じタイプの香りが続くとちょっと飽きが来てしまうと思いますから、その辺も鑑みたリスト作成を心がけていきたいなーと。

それにしても、北海道ワインは本当に味の幅が広くなってきましたね。
でありながら、フランスワインとは明らかに異なる個性があるということも、先日のチミケップホテルさんでのワイン会で実感することができました。

こういった経験を活かして「あそこなら面白いワインが色々楽しめるよ」と思って頂けるようなお店にしていきたいなと思っています。

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