日本ではザリガニを食べる文化はありませんが、フランスや北欧ではごく一般的な食材です。

フランスでは「エクルヴィス」と呼ばれるのですが、これを使った料理で有名な街が「リヨン」。
フレンチを食べない方でも恐らく名前は聞いたことがあるであろう「ポール・ボキューズ」さんのお店(本店)がある街です。
この街の名物料理に「クネル」という洋風ハンペンのようなものがあるのですが、この「クネル」に使うソースは基本的にエクルヴィスの出汁(フォン)から作られています。
クネル自体かなりボリュームがあって重たい食べ物なんですが、ソースもそれに輪をかけて重たいので、店主は日本のお店で日本人向けにアレンジされたクネルを食べてもかなり胃もたれしたのを思い出します(^_^;)。
ただ、ワインとの相性もとてもいい料理なので、もし外食の際に見かけたら是非試してみてくださいね。
多分そのお店は「伝統のある、きちんとしたフランス料理を提供したい!」と志を持って頑張られているお店だと思います。

で、このエクルヴィス、とにかく歩留まりが悪いです笑。
今回は31匹捕れましたが、可食部全体の重量は120gほどでした。

写真で見るととても大きく見えますが、大半が頭なので身の部分はビックリするくらい小さいんですよ。
阿寒湖畔のとあるお店では塩茹でが5尾1,000円で売られていましたが、これは別にぼったくりとかではなく、そのくらい元々お高い食材だということです。
となると気になるのは味ですが、これは値段に十分見合ったものと言えるでしょう。
むしろ、他のエビ類に比べて臭みが少なく、味に透明感があるので、エビが苦手な方でもこれなら食べられるんじゃないか…という気すらします。
おまけにエクルヴィスはガラからも良い出汁が取れるので、これを香味野菜と一緒に炒めてフォン(洋風出汁)を引くこともできますし、ガラごとミキサーで回して濾し、クリームで伸ばせばビスクという濃厚なスープが作れます。
またはフォンを煮詰めてポマード状にしたバターと合わせ、しっかり冷やし固めれば「エクルヴィスバター」。これまた美味しいです。
とまぁ、調理の幅も広く、実に可能性のある食材なんですよね。

ちなみにこの写真は捕っている最中に現れた野生のミンク。
写真は根室からいらしたというご夫婦で、自分も少し立ち話をさせて頂いたんですが、わざわざミンクの写真を撮りに毎年屈斜路湖まで来られているのだそうで。

大きいミンクだと15mくらい沖まで泳いでいき、深場まで潜って大きなザリガニを咥えて戻ってくるそうですよ。
なんだか話がズレてしまいましたが、明日も14時よりメゾン・ブレイズ営業します!
今日捕ったエクルヴィスの身は綺麗に下処理して、野菜テリーヌの具材として間に挟みこもうと思います。
さてさてどんな風に仕上がるか…

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