『厚岸蒸留所 サロルンカムイ』とオショロコマのフュメを合わせてみました。

7月間近とは思えない気温が続いている北見市ですが…

先日作ったオショロコマのフュメ(燻製)とウイスキーの相性を再確認すべく、市内の「BAR MASAKI」さんにウイスキーを飲みに行ってきました。

スコッチの品揃えに定評があるこちらのバーなら、道東で唯一蒸留所を構えている「厚岸蒸留所」のウイスキーを置いているかもしれない…という目算もあったのですが、やはりありました。しかも2種類も。

まずグレーンウイスキー(穀類を主原料に、複数回蒸留したまろやかなウイスキー。個性的な味わいには乏しいので、味の強い原酒と混ぜてバランスを整えるためによく使われます。ブレンデッドウイスキーにおける縁の下の力持ち的な存在です。)とモルトのブレンデッドである「Foundations 4」と合わせてみました。

が、こちらは単独で飲むとまろやかでバランスが良く非常に美味しいものの、オショロコマのフュメと合わせるとちょっと負けてしまうかなという感じでした。

続いては、ネットで定価の3倍ものプレミア価格で取引されており、注目度の高さが伺われる「サロルンカムイ」。

今年発売された商品ではありますが、厚岸蒸留所では初年度から様々な方向性のウイスキー原酒(「Foundations 4」のみブレンデッド)を毎年販売しており、この「サロルンカムイ」はその集大成的な存在となります。

ラベルには「Lightly-Peated」と記されており、確かに感じるピート(泥炭)の香り。
かといって極端にピート香が強いわけではなく、他の甘やかな香りやスパイシーな香りの下支えになっている感じですね。なるほど確かに「Lightly」です。

またMASAKIさん曰く、ラフロイグのようにヨード香(ちょっとケミカルに感じる、正露丸のような香り。海沿いのピートに含まれる潮風や海藻由来のものです)が強烈なタイプはちょっとそぐわないと思いますとのこと。

自分もケミカルさが強いタイプのアイラモルトだとマッチしないのではと思ってはいましたが、考えを伝える必要も無く的確にチョイスして頂いたので、やはりその道のプロにお任せして良かったなと思いました。

で、両方飲んでフュメと合わせてみた結果、「Foundations 4」より「サロルンカムイ」の方がオショロコマのフュメにマッチすると実感。

よりピート香の強い「Foundations 2」と合わせたらどうなるかな、という興味もありましたが、今回のフュメは燻し時間も短く、かつ塩も抑えて食感もソフトめに作った(ワインと合わせることも考えて)ので、「サロルンカムイ」くらいのバランスが丁度いいかな、と。

その後「より手軽に手に入るウイスキーでこのフュメに合いそうなものを」というオーダーにはタリスカーとボウモアを出して頂きました。

こちらは断然タリスカーの方が合うという結果に。加水するとよりスパイシーな味・香りが増し、フュメとの相性がさらに良くなりました。

更に思い出したようにMASAKIさんが出してくれたのが「ロングロウ」。
麦芽を48時間もの間ピートのみで乾燥させ続けるという工程を踏んでいる、かなりパワフルな銘柄です。

これがまた、先ほど合わせた「サロルンカムイ」とはまた別の方向性でよくマッチしました。
ロングロウは塩気のような独特の風味があるんですが、これが今回の塩味控えめで作ったフュメを補ってくれて、止まらなくなります。

ゆっくり飲みながら楽しむつもりが、1時間ちょいで結構飲んでしまい早々に退散。
美味しいお酒を堪能させて頂きました。皆さんも是非。

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