「羆(ヒグマ)のフォン」。

先日は蝦夷鹿のフォン(出汁)をひいたので、今夜はヒグマのフォンをひきます。

使うのは腿一本分の骨とスネ肉。合わせて大体2.5kgくらいでしょうか。

低温で4時間、高温で1時間半ほど焼いてこんがりさせてから煮出していきます。

ちなみにヒグマの肉はキロ5,000円くらいするので、出汁を取るためにこれだけ大量の肉を使うのは…普通だとあり得ないくらいの贅沢です。

スネ肉とはいえヒグマはヒグマ。かなりのレア食材です。

赤ワイン煮込みなどにすれば普通はいいお値段で出せますからね。

でも自分は蝦夷鹿とヒグマでコンソメスープを作りたいので、出汁を取るのに使っちゃいます笑。

一般の方にとって、恐らく熊肉は獣臭の強いイメージだと思うんですが、実際は蝦夷鹿どころか牛や豚、鳥と比べても特有の風味が感じられないほど無個性です。

旨味はあるんですが、赤身部分だけ食べても何の肉だか全くわからないという…きちんと処理さえしていればそのくらい癖のない肉なんですよ。

また、ヒグマの脂身はナッツのような香ばしい風味があって非常〜に美味です。

ただ、脂の風味は食べているものによってかなり大きく左右されるので、内陸で育ったヒグマの方が脂身は一般受けする傾向がありますね。

海岸沿い(例えば知床や羅臼など)に生息しているヒグマは鮭などの魚を食べているケースが多く、そういった個体は普通の赤ワインソースだととても合わせられないくらい魚の臭いがします。

海ガモ(キンクロハジロなど)もそうなんですが、アンチョビや貝を使った変わり種のソースの方が良く合いますね。

…っと、話がズレてしまいましたが…

例によってこれからヒグマの骨と肉を4時間ほど煮出していきます。

綺麗なフォンがひけたらパッキングして保存ですね。

そして先日の蝦夷鹿のフォンとヒグマのフォンを合わせ、蝦夷鹿のひき肉とヒグマのひき肉を練り合わせて沸かし、10時間ほど弱火で煮出してコンソメをひくわけです。

市販のコンソメ顆粒に比べて異様なほど手間はかかりますが…丁寧に作ったコンソメは舌にじんわりと染み渡る旨さがあります。

ノエル限定のメニューではありますが、是非この機会に味わってみてくださいね。

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